研磨布紙

研磨布紙の断面
研磨布紙の断面

研磨布紙とは、砥材を基材に接着させることでつくられる研磨工具のことをいいます。身近なものでは紙やすりも研磨布紙に含まれます。
研磨布紙の構成要素には砥材、基材、接着剤の3つがあり、それぞれ種類があります。これらの組み合わせにより様々な用途に適した製品が生まれます。

研磨布紙の製造工程

紙や布などの基材に下引き接着剤(メークコート)を塗布し、静電気により砥材を配列させます。 その後、上引き接着剤(サイズコート)で脱粒を防ぐために固着させることで完成します。
工場では大きな基材のロールを引っ張りながら接着剤を塗布します。これを3~4回繰り返すことで基材の強度が向上し、表面が滑らかになり、熱に強くなり、伸び防止になります。研磨布紙の土台となる基材をこの工程でしっかりと作り込んでいきます。
この基材に砥材を接着させるコーティングという作業を経て、シートやロール、ベルトといった商品に加工していきます。

接着剤

接着剤とは、研磨布紙における基材と砥材を接着させる役目を持った素材です。砥材の脱粒を防ぐために下引き接着剤と上引き接着剤の二度に分けて接着剤を塗布します。
砥材と同様に天然素材と人工素材に分けることができ、天然素材には膠(にかわ)、人工素材には合成樹脂(レジン)があります。
合成樹脂の中でもエポキシ樹脂やフェノール樹脂、尿素メラミン樹脂などの種類があります。

基材

基材とは、研磨布紙の土台となる部分です。布と紙が用いられ、基材の上に接着剤と砥材が塗布あるいは配置されます。 布は柔軟性に富み、強度があり破れにくく、カールしにくいという特徴があります。紙の主なメリットは布の約半分の価格で手に入るという点で、その安さが魅力です。