表面粗さ(Ra・Rz)
表面粗さ(Ra・Rz)とは、加工された表面の凹凸の程度を表す指標です。機械加工を行った表面は完全に滑らかではなく、必ず微小な凹凸があります。この凹凸の大きさを数値で表したものが表面粗さです。表面粗さは部品の機能や性能に大きな影響を与えるため、品質管理において重要な指標となります。
表面粗さの表し方
図面や検査では、RaとRzがよく使われます。これらの定義や測定条件はJIS/ISOなどの規格に基づくため、工程では図面指示(パラメータ、カットオフ、評価長さ、測定方向など)に従って測定・管理します。
同じ面でも、Raが小さいほどRzも小さくなる傾向はありますが、傷や周期的な凹凸などの形状によっては一致しないことがあります。そのため、指定されたパラメータで評価します。
算術平均粗さRa
Raは、算術平均粗さと呼ばれる値です。これは、表面の凹凸の平均的な高さを表す値で、最も一般的に用いられる表面粗さの指標です。Raの値が小さいほど、表面が滑らかであることを意味します。例えば、Ra 0.8μmは、Ra 3.2μmよりも表面が滑らかです。
最大高さ粗さRz
Rzは、粗さ曲線の山と谷の高低差を表す指標として用いられます。Raよりも局所的な凹凸(傷や深い谷など)の影響を受けやすい傾向があります。
なお、Rzは規格体系や図面指示により定義が揺れることがあります。図面や検査規格で指定されている定義(JIS/ISOのどの定義で評価するか)に合わせて解釈・測定します。
表面粗さが重要となる理由
表面粗さは、部品の機能や性能に様々な影響を与えます。
まず、摩擦や摩耗に影響します。一般に表面粗さが大きいと接触面の摩擦が大きくなりやすく、摩耗が増える場合があります。逆に表面粗さが小さいと摩擦が小さくなる場合がありますが、実際の結果は材料、潤滑、荷重、相手面の状態などにも依存します。
次に、シール性能(漏れにくさ)にも影響します。シール面(液体や気体の漏れを防ぐために接触させる面)やガスケット面(パッキン等を挟んで密封する合わせ面)など、気密性が求められる部品では、表面粗さが漏れ・にじみ・なじみの傾向に関係します。許容される粗さは、シール方式や材料、面のうねり、締付け条件、潤滑条件などの仕様により決まります。
また、美観にも影響を与えます。表面粗さが小さいと表面が滑らかで美しく見え、逆に表面粗さが大きいと表面が粗く見えることがあります。
表面粗さの測定方法
表面粗さは、主に以下のような方法で測定されます。どの方式でも、カットオフ、評価長さ、測定方向、フィルタなどの測定条件を揃えることが重要です。
触針式粗さ計
触針式粗さ計は、先端に触針を備えた測定器です。この触針を表面に沿って移動させ、表面の凹凸を検出します。図面指示のRa/Rzを工程内検査や受入検査で測る用途では、触針式が一般的です。
光干渉式粗さ計
光干渉式粗さ計は、光の干渉を利用して表面の凹凸を測定する方法です。触針式と比較して非接触で測定できるため、傷をつけたくない面や柔らかい材料の測定、微細形状の観察、面(3D)として評価したい用途などで用いられます。
表面粗さの目標値
表面粗さの目標値は、部品の用途や機能、図面仕様によって異なります。RaやRzなどのパラメータ、評価長さ、測定方向などの指示に基づき、加工工程と検査条件を設定します。
表面粗さを小さくするほど工程負荷が増えるため、要求仕様に対して必要な範囲で設定します。