レジノイド
レジノイドとは、石炭酸とホルマリンによりつくられたフェノール樹脂を、200℃程度の低温で焼成して製造する結合剤、あるいはそれにより作られる砥石です。
200℃という温度は樹脂が硬化するために適した温度で、高すぎると樹脂が分解し、低すぎると完全に硬化しません。
フェノール樹脂は1872年にアドルフ・フォン・バイヤーにより発見され、1907年にレオ・ベークランド博士によって工業化されました。ベークランド博士の名からベークライトと命名され、レジノイドを表す記号はその頭文字であるBとなっています。
レジノイドの特徴
弾性
レジノイド砥石に用いられるフェノール樹脂は熱硬化性樹脂で、これは加熱されることで硬化し三次元網目構造を持ちます。三次元網目構造はレジノイド砥石に弾性を与え、この弾性がレジノイド砥石の強みとも言われる様々な特性に寄与します。
弾性が高い砥石は衝撃に強く、高速研削が可能になります。また薄型化しても壊れにくく、切断砥石やオフセット砥石に適しています。
研削性
レジノイド砥石はビトリファイド砥石と比べてワークに対するあたりがソフトで、衝撃も少なく安全性が高い特徴があります。
気孔率

レジノイド砥石はマトリックス構造を持っており、ブリッジ構造を持つビトリファイド砥石と比較して気孔率が低くなります。(図は簡略化したものですので気孔が描かれていませんが、実際に気孔がまったくないというわけではありません。)気孔率の低さは目詰まりのしやすさにつながるものの、薄型化しても強度を保てる要因ともなっています。
発泡剤などを添加することで気孔率を高めることが可能です。