ビトリファイド
ビトリファイドとは、長石(ちょうせき、地球の地殻に最も豊富に存在する鉱物群)や無機質の粘土類を基材とし、1300℃程度の高温で焼成して製造された結合剤、あるいはそれにより作られる砥石です。ビトリファイド(vitrified)は英語で「ガラス状のもの」を意味します。
ビトリファイドの特徴
研削性
焼成プロセスにおいて結合剤がガラス化し、砥粒を強力に固定することで高い研削性能と優れた平面維持力を持ちます。研削性能は高効率な研削に、平面維持力は高精度な研削の実現にそれぞれ寄与します。
熱に対する強さ
ビトリファイド砥石は高温で焼成されることから、高温環境下でも性能が変化しにくく、熱膨張による寸法変化が少なくなります。
気孔率

焼砥粒同士を橋渡しするように結合する「ブリッジ構造」を形成することで、結合剤の間に多くの気孔がうまれます。
この構造は、レジノイドに見られる砥粒を包み込む「マトリックス構造」と比較して、切りくずの排出を容易にし、また気孔分布が均一なことで砥粒の脱落が少なくなり、長寿命な砥石になります。
化学的安定性
鉱物や粘土といった無機質材料で構成されているため、経年劣化が少なく非常に安定しています。
一方、レジノイド結合剤は有機質のため経年劣化が発生しやすく、この点においてビトリファイド結合剤は優位性を持ちます。