振れ
振れとは、回転体の基準軸に対する偏心や傾きとして現れる変位を示す指標です。図面や検査では、測定基準(基準面・基準軸)と測定位置を定め、回転させながら指示値の変動として扱います。
振れが発生する原因
原因は、ワーク自体の形状誤差(偏心、円筒度、端面直角度など)と、固定・基準取りの誤差(チャック把持=爪などでワークをつかんで固定する方法、センタ支持=ワークのセンタ穴を使って両端を支持する方法、当たり面の汚れやバリなど)に分けて整理します。
例えば、チャックの把持状態や当たり面の異物は、測定時の振れ指示値に影響します。
振れの測定方法
一般的にはダイヤルゲージ等で測定します。ワークを回転させ、測定子を所定位置に当て、指示値の最大値と最小値の差(TIR: Total Indicator Reading)として読み取ります。測定値は、基準面、固定方法、測定位置に依存するため、図面指示と測定条件を一致させます。
| ラジアル振れ | 円筒外径面に測定子を当て、回転させたときの外径方向(半径方向)の指示値変動 |
| アキシアル振れ | 端面に測定子を当て、回転させたときの端面方向(軸方向)の指示値変動 |
振れの影響
振れが大きい状態では、回転時の振動や周期的な当たりが増え、加工面のうねり、寸法ばらつき、面粗さ悪化などの要因になります。
また、運転中の振動が大きいと、軸受や機械要素の負荷増加要因になります。
振れの改善方法
改善策としては、基準面・基準軸の設定と当たり面の管理、固定方法の見直し、加工工程(前加工の真円度・直角度など)の見直しが挙げられます。
工程内では、図面の許容値に対して測定条件を揃え、測定結果のばらつき要因(固定、当たり面、測定位置)を管理します。