自生作用
自生作用とは、研削加工中に砥粒が摩耗し、脱落することで新しい切れ刃が露出し、研削性能を維持する現象を指します。この作用により砥石は常に新しい刃を出し続け、効率的な研削ができます。
自生作用は、砥粒の性質、結合剤の特性、加工条件などの要素が相互に影響し合うことで発生します。ですので「砥粒が〇〇だから自生作用が発生しやすい」とは一概に言い切ることができません。
自生作用が適切に発生しないと
目こぼれ
目こぼれとは、結合剤の保持力が弱かったり適さない研削作業を行った際に砥粒が脱落し砥石が欠けた状態になることです。脱落することで新たな砥粒が出現するため切れ味自体は良いですが、砥石が減るのも早くなります。目こぼれも広義には自生作用ですが、過剰な自生作用といえます。
目つぶれ
目つぶれとは、目こぼれとは反対に結合剤の保持力が強いせいで砥粒の脱落が適切に起こらず、砥粒が平坦化してしまうことです。研削効率の低下や、摩擦が増えるため研削焼けやビビリなどが発生しやすくなります。この状態では自生作用が抑制されます。
目づまり
目づまりとは、砥石の気孔に削りカスが詰まった状態です。砥粒の突き出しがないため研削効率が低下し、自生作用も抑制されるます。