気孔
気孔とは、研削砥石の 砥粒と結合剤の間にある小さな隙間のことです。砥粒、結合剤、気孔を砥石の三要素と呼びます。
気孔の役割
気孔は砥石の中に存在する空隙ですが、単なる空隙ではなく研削作業を効率化するための重要な役割を持っています。
切りくずの排出
研削中に発生する切りくずを排出するポケットとして機能します。適切に切りくずをの排出することで目詰まりを防止します。
冷却効率向上
空気や冷却液(研削液)を保持するポケットとして働き、砥石の冷却率を向上させます。また機構があることで表面積が増えるため、この点においても冷却に寄与します。
衝撃緩和
砥粒脱落時の衝撃緩和の役割を果たします。 ただし、気孔が多すぎると砥石の強度が不足し破損しやすくなるため、適切な気孔率を見定めることが必要です。
気孔率による違い
気孔率が低い場合
気孔率が低いということは砥粒の密度が高く、ワークと砥石との接点が増えるため砥粒一つ一つにかかる負荷は分散されます。そのことで平坦に摩耗していくため、切れ味は悪くなるものの、ワークの表面粗さは小さくなります。
気孔率が高い場合
反対に、気孔率が高いと砥粒の密度は低くなり、砥粒一つ一つの負荷は高くなります。そのため砥粒が割れやすく、尖った部分がワークと接地するようになります。これにより切れ味が良くなりますが、表面粗さは大きくなります。