アランダム

一般鋼の製品イメージ
アルミナ系研削材のもととなるボーキサイト

アランダムとは、酸化アルミニウム(Al₂O₃)から作られる人造研磨材で、 金属加工や研磨の用途で使用されています。1897年にアメリカ合衆国のC.B.ヤコブズにより開発され、ノートン社から発売されました。広く使われている名称ですが、アランダムは商品名です。アルミナ系研削材の総称としてもしばしば用いられます。

特徴

アランダムは、ボーキサイトを主成分とするアルミナ質の原料をアーク式電気炉で溶融・還元し、凝固させた塊を粉砕・整粒したものです。
先行して発明された カーボランダム(炭化ケイ素)にくらべ靭性や耐摩耗性が高く、金属加工に適しています。
コスト面でもメリットがあり、多くの用途に対応できる素材と言えます。

用途

一般鋼材の加工に広く使われます。また靭性が高いため、自由研削時の衝撃を吸収する能力が高く、グラインダー用砥石などにも適しています。

アルミナ系研削材

種類 説明
褐色アルミナ研削材 主としてボーキサイトから成るアルミナ質原料をアーク式電気炉で溶融還元し、凝固させ、主成分がアルミナから成り、適量の酸化チタンを含む塊を粉砕整粒したもの。主として酸化チタンを固溶したコランダム結晶から成り、全体として褐色を帯びている。
白色アルミナ研削材 バイヤー法で精製したアルミナをアーク式電気炉で溶融し、凝固させた塊を粉砕整粒したもの。コランダム結晶から成り、全体として白色を帯びている。
淡紅色アルミナ研削材 バイヤー法で精製したアルミナに適量の酸化クロム、必要によって酸化チタンから成る原料を加え、アーク式電気炉で溶融し、凝固させた塊を粉砕整粒したもの。コランダム結晶から成り、全体として淡紅色を帯びている。
解砕型アルミナ研削材 ボーキサイト又はバイヤー法で精製したアルミナから成るアルミナ質原料をアーク式電気炉で溶融し、凝固させた塊を解砕し、整粒したもの。主としてコランダムの単一結晶から成る。
人造エメリー研削材 主としてボーキサイトから成るアルミナ質原料をアーク式電気炉で溶融還元し、凝固させた塊を粉砕整粒したもの。主としてコランダム結晶とムライト結晶とから成り、全体として灰黒色を帯びている。
アルミナジルコ二ア研削材 主としてバイヤー法で精製したアルミナにジルコニア質原料を加え、アーク式電気炉で溶融し、凝固させた塊を粉砕整粒したもの。主としてコランダム結晶とアルミナジルコニア共晶部分とから成り、全体としてねずみ色を帯びている。ジルコニア含有量の異なるAZ(25)とAZ(40)とがある。